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Dr.Pennyの、デザインをリスペクトするブログ   広角山手線遊戯g

volume4.ロックと原音再生 [週末は音楽を聴こう!!]

Luxman DA-100
撮影:OLYMPUS E-3 + ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro

ピアノをリアルに再生するのは難しいとか、パイプオルガンの雰囲気はなかなか出せないとか、オーディオ誌を読んでいると「原音再生」なる言葉がちょくちょく出てきます。楽器それぞれの音域は様々で、超低音域から倍音成分を含んだ超高音域まで、過不足なくオーディオ機器で表現するのは並大抵のことではありません。人の声なら人の声、バイオリンならバイオリンらしく。多くのオーディオファンの共通認識として、それぞれの「原音」に限りなく近付いた音を再生できるステレオ装置が「優れたオーディオ機器なのだ」とされています。

いっぽうロックには「原音」なるものがありません。

ギターアンプで鳴らさないエレキギターは存在しません。ドラムにだってマイクを立てます。ライブ演奏を録音すれば原音かと思いきや、それはあくまでも「スピーカーから出てきた音」です。当たり前の話ですが、ロックは電気を使ってスピーカーを鳴らさないと成立しない音楽。クラシック音楽や黎明期のジャズと違って、音響技術が既に存在している時代に誕生した音楽なんです。

オーディオ的に言うと、もしサックスの音がフルートっぽく聴こえたら不正解です。でもアンプひとつエフェクターひとつで音がコロコロ変わるロックのエレキギターは、どんなサウンドだろうとそれが正解です。歪ませたり響かせたり、そこはミュージシャンの気分次第。およそギターらしくないサウンドだろうと構いません。そこはオーディオ的な正解など存在しない世界。在り方そのものが自由であり、スタジオ録音のレコードだけで完結するミュージシャンも少なくありません。成果物さえ存在すればよく、ライブ演奏を想定する必要すらないからです。多重録音や、あらゆるサウンドを作れるシンセサイザーの登場。生楽器の演奏をそのまま一発録音していた時代と違い、音響技術の進歩と 薬物に汚染された(笑) ミュージシャンの発想の進化により、音楽表現の幅はまさに際限なく広がりました。

60年代半ばから現在まで、大量生産され続けたこの若者の音楽は、録音スタジオの機材もエンジニアの技術も記録されたレコードの音もピンキリです。そもそも芸術に音質なんて関係ありません。でも「良い演奏」を、できるだけ「良いクオリティで」記録しておきたいという発想がオーディオの原点。ここまでつらつらと書いてきましたが、原音という考えが無意味で、また音質がいいという要素が、必ずしも良い音楽に繋がらないロックというジャンルは、

やはり、あまりオーディオ向きじゃない

のだと思います。

最後に、話を戻してどうして安いコンポで聴くロックの方が好みだったのか。それは原音再生に忠実な、あまりに上等なオーディオ機器で聴くと、録音の善し悪しがモロに出てしまって、かえって音楽が楽しめなくなるということだと思います。細かい音まで聴こえ過ぎてしまうと、調子が出ないというか、どうしても音楽の聴き方が分析的になってしまって、集中できないことが多いんです。

と、これで終わっては不親切なので、ロックを少しでも良い音で聴きたいそんなあなたに解決策をいくつか提案させてください。いま考えてます ^^



今日のBGM:ココナッツ・バター / 麗蘭
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麗蘭

麗蘭

  • アーティスト: 麗蘭,仲井戸麗市
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2004/08/04
  • メディア: CD



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