モノクロ化のススメ:その3 [たまにはモノクロで]
今月最後の更新ですね。いやはや大変だった、何とかたどり着きました(笑)。
さて前々回、そして前回の続きです。
【チャンネルを分割する!】
コンピュータに表示される写真は「赤・緑・青」という光の三原色で成り立っています。皆さんご存知の「RGB」と呼ばれるものですが、それぞれが256諧調のグレースケールで構成されています。
私の「モノクロ化」のやり方は『RGBのチャンネルを分割し、分割したグレースケールをレイヤーで重ね合わせて、描画モードを選択し適宜調整する』というもの。これ実は私があみ出したやり方ではなく、テクニカルライター兼カメラマンもやられている西川和久氏が著書等で発表されているやり方です。Amazonで調べてビックリ、この本まだ売ってるんですね…
新しい技術を期待されていた方、既にこの方法をご存知だった方、借り物の知識で大変申し訳ありません。でもこれが一番「時間をかけず」に、なおかつキレイに仕上がる。私もPhotoshopを使い始めてかれこれ10年、昔買った書籍をあれこれ引っ張り出して、ここしばらく様々な方法を試してみましたが、正直この方法にはかなわないという結論に達しました。
ちなみに西川氏は自身のページでもこの方法を紹介されています。
http://www.mybook.co.jp/dx/community/nisikawa/vol-09.html
【実際にやってみよう!】
まずは画像を開き、気合いを入れて画像の劣化を避けるため16bit/チャンネルに変換します。『イメージ→モード→16bit/チャンネル』です。16bitにするとレタッチやリサイズの時の劣化が少なくなります。
デフォルトでレイヤーパレット内「レイヤー」の隣のタブ「チャンネル」を選択し、右側の▲サブメニューをクリック。「チャンネルの分割」をクリックします。
チャンネルパレットのサブメニューをクリックして
チャンネルの分割を選びます
そして「RGB」に分割された3枚の写真。
デジタルカメラの「青のグレースケール」はノイズ成分が多いので削除、作業は「赤と緑のグレースケール」のみで行います。赤のグレースケールを緑のグレースケールの上にドラッグ、そして赤のグレースケールに対して、レイヤーの描画メニューで「ソフトライト」、もしくは「ハードライト」を選択します。
今回は飛ばしたかったので「ハードライト」を選択、不透明度は100%です。ノイズも少々加えました。飛び気味の画像を得るにはハードライトがオススメ、プリント時の締まりが違います。最後に薄めの乗算で整えたのがこちらの写真。
撮影@原宿:Canon EOS 20D + EF-S17-55mm F2.8 IS USM
チャンネルの分割、そしてレイヤーの合成からこの写真は得られたワケですが、私がこれを支持する理由は、画像が劣化する「シャープネス」を一切掛けていないのに、ご覧のようなシャープな仕上がりになってくれるところです。
上の写真に空がないのが寂しくなって、同じ写真で少し落ち着いたバージョンを用意しました。ノイズも入れてません。こちらも併せてご覧ください。
空を足しただけで雰囲気変わりますね。
お察しの通り、レイヤーとマスクを使用した「レタッチ」です^^
意外や意外、こちらの写真の方が面白いかも(笑)。
さて、作業が終了したらプリントする場合は「グレースケール」から「RGB」に変換、さらにWebで公開する場合は8bit/チャンネルに戻してあげましょう。「Web用に保存...」コマンドを使用すれば問題ありませんが、「別名で保存」する場合は8bitに戻さないとJPEGで保存できません。
【プリント時の注意点!!】
「RGB」に変換と書きましたが、とにかくインクジェットでプリントする際は「グレースケールのままにしない」ということです。インクジェットはモノクロ印刷だろうと、実はあらゆるカラーインクを駆使してプリントしています。グレースケールのままだと、プリンタは黒インクだけで印刷しようとしてしまうんですね。ここは是非とも気をつけましょう。
最後になりますが、写真のプリントはプリンタや印刷紙の選定も大切です。私が現在写真プリントに使っているのはEPSON PM-G800という数年前のA4プリンタです。A3はほとんど使わないですし、得られるプリント写真にも満足していますが、このところ気になるのは顔料インクの製品。写真をプリントしてみてどのくらい違うのか、仕事の書類印刷にも使えるようなものなのか、インクの詰まりとかはどうなのか…、非常に興味があります。使われている方がいらっしゃったら、是非レポートして頂きたい、もしくは私にこっそり教えて下さい^^
モノクロ化のススメは以上で終了です。
興味のある方は、是非試してみて下さいね!!
【特別付録:モノクロを選ぶ!】
Photoshopでモノクロ化した場合の結果をまとめてみました、参考にしてください。
ご覧のとおりグラデーションマップは比較的最初からダイナミックな画が得られます。またモノクロ化の際に自分の好みで追い込んでいけるチャンネルミキサーは、慣れれば凄く便利な機能。ちなみに、モノクロモードが付いているデジカメで得られる画に一番近いのはLabカラーのLチャンネル抽出だそうです。
下手なムック本より、よほど参考になりますね。
シャープネス無しで、本当にカリカリにシャープな仕上がりですね。フォトショップ、もう一度引っ張り出すかなぁ^^
by みね (2007-01-31 00:43)
さてさて、読んでいる皆さん理解できたでしょうか?
ご自分で試すのが一番だと思いますよね。
penny さん、おつかれさまでした~~
by 暇なフォトグラファー (2007-01-31 00:49)
おはようございます。
これは参考になりますね。
やれるかどうかは・・・・・
大いに疑問ですが??
by BPノスタルジックカーショー (2007-01-31 06:19)
おはようございます・・・
↑BPノスタルジックカーシさんと同じ感想です♪
わたしも Adoby Photoshop CS2 を使用して加工していますが、モノクロ化は未だ未体験(笑) 今度チャンスがあったらやってみよう・・・モノクロ的な写真素材が撮れるかどうか自信なし(泣)
by あら!みてたのね (2007-01-31 11:21)
皆さん、niceとコメントありがとうございました!!
スイマセン、難しかったですか?
やってみて頂ければそれほど困難では無いと思いますよ、レッツトライです!!
#かのとさん
ご訪問&niceありがとうございます!
#みねさん
ありがとうございます。Photoshop再導入のきっかけになれば幸いです^^
#暇なフォトグラファーさん
ちょっと説明の仕方が悪かったのかな…^^;
試して頂ければ何とか…だと思うんですけど…
#BPノスタルジックカーショーさん
大丈夫ですよ。これを見ながらやっていただければ、きっと。
#みつなりさん
ご訪問&niceありがとうございます!
#あら!みてたのねさん
是非やってみてください。実際やられれば「なあんだ」って感じ…だと思います!!
#いとおさん
ご訪問&niceありがとうございます!
by penny (2007-01-31 16:36)
まず、知識の凄さに脱帽です。
僕なんか、スキンのカスタマイズで苦労しています。・・・汗
タグなんか、生まれて初めての経験ですし・・・滝汗
また、勉強にきます。v^^;
by (2007-01-31 17:28)
壁紙の件ですが、サイズは、どうしましょうか?
あと、他にも、朝焼け写真あります。^^;
by らっこ (2007-01-31 21:11)
勉強になりました。もっと腕を磨いてから挑戦してみます。
by (2007-02-01 00:03)
#こうちゃんさん
恐縮です、所詮本で学んだ借り物の知識です。
スキンのカスタマイズはcssみたいですね。私はソフトウェアでやってしまうので、あまりアドバイスできません^^;
#らっこさん
あの写真で是非お願いします。
横幅1600pixel頂ければ最高です!!
#こけもも:さん
描画メニューをいくつか試されれば、すぐにでもできると思いますよ。押さえておくのは「乗算」「スクリーン」「ソフトライト」「ハードライト」辺り、レッツトライです!!
by penny (2007-02-01 16:31)
うーん、難しい世界になってきたなあ・・付いていけなですわ・・。
でもモノクロ世界の新鮮さとチャレンジは感じます、
by (2007-02-01 18:30)
#イチローさん
その3は上級編と書いておけば良かったですかね…^^
実際にやってみれば、すぐお分かりになると思います。
by penny (2007-02-02 01:36)
わかったような、分からないような…
実際にやってみれば覚えられそうですが。
根気が続きそうにありません。
元の三原色の「グレースケール」。
言われてみれば、とっても納得です。
フィルムのモノクロと同じ結果になるんでしょうか。
by emu310 (2010-01-30 07:00)